2020/12/31

この一年


春の山梨の山荘や、
Sさんが毎年誘ってくれる筍狩りや餅つき。
夏には山へ、時々外国へ。
たまに近所のおばあさんとお茶をして。
当たり前のように繰り返されていた幸せが
当たり前ではないと知ることができたと
まとめてしまうのもなんだか悔しいような。
たまには怒りのようなものを燃やして、
それを自分に向けてもいいのかもしれない。

一人で過ごす時間が好きでも
個人で成り立つことなんてひとつもなかった。
茨木のり子さんの詩の一部が頭をよぎり
様変わりした世の中で見えていなかったものへ
目を向けていこうと思った。
来年は良い一年になりますように。


ある日 卒然と悟らされる
もしかしたら たぶんそう
沢山のやさしい手が添えられたのだ
一人で処理してきたと思っている
わたくしの幾つかの結節点にも
今日までそれと気づかせぬほどのさりげなさで





2020/09/25

キャンプ


キャンプを予定していたのに雨予報。
諦めていたのに朝起きたら曇り予報に変わり
大急ぎで準備して出発した。
秦野の滝沢園に着いた時はもう16時近く、
バスを降りたら雲間から光が射して青空も見えた。

このテントでキャンプを計画するとなぜか雨ばかり。
今回は設営中は晴れていたものの
やはり夜になると雨が降り出し
予報も外れて次の日の朝も雨が降り続いた。
なぜなのだー
テントとの相性の悪さを認めたくないので
こんな時だから貸し切り状態だし、よかった
と思うようにして静かな時間を楽しんだ。
夜には少し豪華なお肉を焼いた。
寝袋にくるまり、フライシートにあたる雨の音を
ただ聞くだけの非日常。
川の流れる音も、木の揺れる音もすごく近くに感じる。
テント泊の一番の魅力はこれでないかと思っている。









2020/06/16

氷取沢


雨が続く前に氷取沢市民の森へ行っておこうと
早起きして出かけた。
数ヵ月前に連れて行ってもらった場所。
こんな深い緑が横浜にあるなんて知らなかった。

以前見た植物たちはすっかり様相が変わり
あの時の、蔓の覆ったランドアートのような異空間も
緑が生い茂ったせいで随分と狭く感じた。
あれから忘れられず何度も思い出しているうちに
自分の中でイメージが膨らみ過ぎたせいかもしれない。

それでも久しぶりのハイキングは気持ちよくて
三つの市民の森を渡り歩いた。
森をハシゴできるなんて贅沢だ。

新緑の美しいモミジに見とれたり、
踏まれた葉と花の地面アートに嫉妬したり、
横浜の最高峰(157m…!)で梅干し食べつつ
遠くを眺めたり。自然と交信した一日。

「山は一人でいる時にしか開示してくれない。」
M子ちゃんの言っていた言葉を山に行くたびに
思い出すのだけど今回は開かれなかった。