2022/10/25

個展

今日からgallerykingyoにて個展を開催致します。

「杳」
10/25(火)― 10/30(日)
12:00~19:00まで。最終日は17:00まで。


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小学生の頃までは病弱で、
思い出は薄暗いものばかりでした。
入院した病室の天井の柄、窓の向こう側のくすんだ景色、
眩しいだろうからと母がベッド柵にかけてくれた
ハンカチから漏れる淡い光。
喘息で家の中で臥せっていることも多く、
外で遊ぶ子供の明るい声とは対照的に
肺から聞こえる喘鳴が爆弾の飛んでくる音に似ていて
頭の中で一人戦争ごっこをして息苦しさを紛らわした記憶も。
窓の向こう側と私のこちら側、隔たりを感じていました。
大人になってからは人並みに丈夫になり、
バックパックで一人旅なんてすることもできて
向こう側に飛び出した!そんな興奮がありました。
でもいざ行ってみると、そこからさらに向こう側は存在する、
はっきりとは見えないのだけれど。
明るい光の先、薄暗い闇の先、
きっとこれらは繋がっている。
その杳々とした奥に潜むものに惹かれます。

斑入りの葉の模様はまるで宇宙のようで
山の上で見た星空と重なる。
おばあさんの透きとおった手の皺が好き、
木の幹のような美しい模様が刻まれている。
湿原の池塘を覗くと空が映っていて、もっと奥を覗き込むと、
水の中で土に還ろうとしている落葉、虫の死骸…

真理にいきつくこともなく、
その世界の存在をただぼんやりと思いながら絵を描いています。

杳 ヨウ
はるかで遠いさま。奥深く暗いさま。