2018/08/15

古楽

Bさんに誘われて行った、古楽オーケストラ。
「La Musica Collana」素晴らしかった。
丸山さんのヴァイオリンの迫力に魅せられ
チェロのソロでは涙が流れた。
楽器に感情があるような…?うまく言えないけれど
美しく整った今の音楽よりもずっと魅力的だった。

Bさんはいつも私に新しい世界を教えてくれる。
本当に感謝。




2018/08/06

立山

以前から立山に行ってみたかった。
北アルプスの上の遠い山…というイメージで
行く決心がなかなかつかなかったけれど、
ブラタモリ立山編を見て今年の誕生日は
憧れの立山にしようと決まった。
7年位前からうちにはテレビがないので
(デジタル放送化で見れなくなりそのまま…)
母は山関連の放送を時々録っておいてくれる。

今回は息切れがひどく、途中のガレ場を見て
諦めようかと思ったり…でも最後までなんとか
登って良かった。お天気にも恵まれて
遠く連なる山々や、眼下に広がる室堂平の
壮大な景色が見れた。
かつてここには氷河が流れていたこと、
みくりが池はカルデラ湖であること、
ブラタモリの話が浮かんでくる。
あまりに遠い話なのと、不思議な景色のせいで
まるで別の惑星にいるよう。

頂上の神社でお参りしてお神酒を頂いた。
その後は大汝山までミニ縦走、こちらも
映画で見たことのある小屋があった、
静かでよい雰囲気だった。
大走りルートを諦めて折り返すと渋滞、
うんざりしつつも、進まなくなった時は
遠くの山を眺めて過ごした。
雪渓の上では思い切りコケてお尻を強打した。
プレゼントで頂いたストックが杖代わりに。

この日はミクリガ池温泉で一泊。
日本一高所にある温泉にのんびり浸かり
山の上とは思えないくらいの
手の込んだ美味しい夕食を堪能した。
外の椅子に座り夕日が落ちるのを眺めつつ
この霊山である立山に自分の足で登ってきた
昔の人達のことを思った。
さらに思いは遡り、狩猟をしてきた人々の
自然に対する観念とか、岡本太郎の
言う神秘観とか。
弱々しい今の自分の存在が、何かを
失っている証拠のようで寂しくも思えた。
それでもこうしてまた山の上にいて
過去に思いを馳せながら、素晴らしい
景色を眺められる幸せ。良い一日だった。








弥陀ヶ原へ

この日は弥陀ヶ原まで歩いて行くと決めていた。
ただ数日前にこの辺りで熊が出没したと
聞いたので情報を探す。
お土産屋の店員さんが丁寧に対応ししてくれて、
とりあえず天狗平まで行ってみることにした。

山に向かう登山客とは反対方向へ。
誰ともすれ違わない静かな道、虫の羽の音、
雪の溶けた水の音だけが耳に心地よかった。
ひらけた景色の真ん中を解放感に浸りながら歩く。
NZの山道を何度も思い出した。

天狗平着いて宿の人に熊のことを聞く。
「熊はそうですねぇ、たまに出ますよ~
出る時は出るし仕方ないかな。
でもせっかくだし気持ちよい道だから歩いて
向かうといいですよ。鈴がなければ手を叩き
ながらでも~」と笑顔で言われなんだか和んだ。
和んだけれど熊は普通に出てくるものなのか…と
気を引き締めて約一時間のルートを歩いた。
山の天気はすぐに変わる。晴れた空は
どんどん霧に包まれて、ひと気のない道が
薄暗くなって余計に静かになる。
ガサガサとどこかで音がするたびに
熊ではないかとドキドキしつつ手を叩いた。
弥陀ヶ原に着いたら、あっという間に光が射して
青空が広がった。
霧がとれた後だというのに乾いたような景色。
池塘は干からび、駐車場にいた係の方のお話だと
異常気象のせいか、今年はいつも以上に
干上がっているとのことだった。
ブラタモリで知った溶結凝灰岩。
今回はタモさんの言葉と共に歩いた旅だった。